己書師範になってすぐ、プライベート幸座のリクエストをくれた方のところへお邪魔しました。
定期幸座と都合があわないという場合はご相談ください。出来る限り対応しています。
まずは、己書の楽しさを知って欲しいですからね。体験するのが一番。
本当に己書って描いた人それぞれで違うんです。その人の個性がほんとに出るので、師範としても見てるだけで面白い。
縦書きのお題から描いてねと言ってたし、葉書も縦書きにしてるのに、横書きのお題を見ながら描いてる方。
「お」から描いてしまったので、「おかげさま ありがとう」に作品をその場で作り変えて清書してしまう方。
どちらも大爆笑。
でも、どちらも間違ってなんかいないんです。それが己ですから。この自由さが、己書の醍醐味。
参加してくれた方がものすごい長文で詳しく感想を書いてくれました。己書幸座がどんな感じなのか、読んだら分かると思います。
初めて「己書」と聞いた時は知らなかったけど、見た瞬間「あーこれか!」と納得。
そんな己書が書けると知り、「ぜひ習いたい」と思いました。
私はひどいクセ字で、自分のメモ帳は読み返せないレベル。
しかも左利きだから「字の形って書きにくい」とボンヤリ思っていました。
「己書に上手い下手はない」
そんな言葉を聞き、「私にもできるんじゃないか」と希望を抱いて幸座スタート。
まずは筆ペンの使い方。
「筆ペンなんて、使ったことあるし」
そう高を括っていましたが、実際は散々。
書いてみると、これまた難しいんですよね。
うまくインクが出ない。かすれたり、最後までインクが続かなかったり。
まさか筆ペンの使い方だけで、こんなに手こずるとは思っていませんでした。
次は点を書きます。
大きな点は、まさしく己書の醍醐味。
そんな点を、用紙いっぱいに書きまくります。
「こんなのでいいの?」と少し驚き。
まるで子供が文字を書く前に行う、練習のようです。
簡単だと思いましたが、インクがかすれまくりでゴワゴワ。まるで天気図の台風のようです。
しかし「それでもいい」「それが個性」
気にせずドンドン書くうちに、コツが掴める。最終的には、自分でも納得する点が書けるようになりました。
用紙1枚書き終えると、次は円相(エンソウ)。
「何に使うの?」思いましたが、文字の後ろに書いてあったり、「あ」や「お」のような文字を書く時にも使います。
点同様、円相も用紙いっぱいに書いていきます。
5段ずつ書くのですが、私は左利き。
「右回転」と「左回転」ですらも、悩みます。しかし「どちらもあり」なのが、己書。試しに逆向きで書いてみると、それも味があっていい。
次は、円相の中にひらがなを書いています。「いきなり文字⁉」と驚きましたが、コツは三つ。
・左側を大きくする
・横棒は右から左へ
・止める(跳ねない、払わない)
「たったこれだけ⁉」思いましたが、これだけで驚くほど己書っぽい字が書けるんですね(笑)
私の円相はめちゃくちゃでしたが、平仮名は意外にうまい。左利きだから、右から左へ動かす動きがとても自然。
また、元々くずし字のような汚い字を書いていた私にとって「書き順は関係ない」というのは、とても気が楽でした。
デザインやイラストとして、字を書く。体験が非常に新鮮でした。
そんなこんなで、五十音は終了。
始める前は大変な作業に思いましたが、やるととっても楽しい。もう1回やりたいと思ったぐらいです。
次に本日の集大成、「ありがとう おかげさま」のお題を書きます。
お題だけ見ていると、難しいようには思えません。しかし、今までになかった
・真ん中に集約させる
・用紙の中に収める
という点で、頭を使う展開に。
私は円相を書くのが苦手で、ついつい中心からずれたり、サイズが小さくなったり。
しかし己書は「二度書きOK」なので、かすれ文字に何度も加筆できるのは良かったです。
1枚目は思ったように書けず、まさかのやり直し。「えー、もう1回書くの⁉」と面倒に思いましたが。書くと楽しいんですよね。おかげで練習・本番を各1回ずつ多く実施しました。
めんどくさいと思うんですが、実際書くと楽しいし、すぐ終わってしまう。
そんな不思議な魅力が、己書にはあります。
気が付くとあっという間に90分経過。
最初は「すぐに終わるだろう」と思っていましたが、当初の予定通りに。
しかも疲労が半端ない。己書は、ラフな見た目に反して頭や気を使うんですね。
「続けてあと90分やりますか?漢字が書けますよ」とのお誘いが。
とてもじゃないけど、私はいっぱいいっぱい。それに毎回の喜びをかみしめたいので漢字を書く喜びは次に残したいと思います。
使用した筆ペンは購入できるので、自宅でもいくらでも書けます。
買うと高いメッセージ付ハガキですが、自分で書けばいくらでも作れます。しかも好きな文字が書けます。
その基礎スキルが、たった90分で身につくなんて、本当にすごいことです。
私は90分の幸座で、己書のひらがなを一生書くことができるでしょう。
・お礼状書きたい
・大切な人に気持ちを届けたい
・自分の字にコンプレックスがある
そんな方には是非を受けていただきたい。
個人的には、左利きには激しくオススメです!