毎日使う玄関。
住まいの顔ともいえる場所です。
「おしゃれな玄関」にするための工夫ではなく、高齢になっても使いやすいという観点でおせっかいポイントをまとめてみました。
不慮の事故における「転倒・転落」
令和2年の 厚生労働省 人口動態統計より 。
今となっては、交通事故より「転倒・転落」による死因の方が倍以上も高くなっているのは知っていましたか。
転倒しやすい場所として、住まいの段差があるところには十分注意が必要です。
交通事故 | 3,718 | 11% |
転倒・転落 | 9,585 | 29% |
溺死 | 7,333 | 22% |
窒息 | 7,841 | 24% |
煙 | 903 | 3% |
有害物質 | 493 |
1% |
その他 | 8,280 | 25% |
玄関ポーチの階段
家を1歩出てすぐの、玄関ポーチの階段。
日本の住宅は、建築基準法で地面より1階の床の高さが40cm以上高くなるように決まっています。
これは木造住宅を基本とすると、地面からの湿度が問題だからですね。
土台が腐ってしまっては家が壊れてしまいますから。
靴を脱ぐ文化ということも影響しているのでしょう。
でも、この仕組みにより敷地前の道路から家に入るまでの間に、最低でも2段以上の段差がある家がほとんどなんです。
段差があるとバランス崩して転びやすいです
ここを転倒しないようにするのは、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか。
階段のけこみに注意
玄関ポーチの階段は、通常タイル貼りが多いです。
通常、玄関の中で使ったタイルと同じものを貼ります。
そして、靴がのる水平の"踏面"(ふみづら)と呼ばれる部分と、段差の部分"蹴込"(けこみ)と呼ばれる部分、どちらも、同じタイルで仕上げる場合がほとんどです。
でも、これが高齢になってくると白内障などで、見分けがつきにくくなります。
西日があたる階段だと、昼間でも自分の身体が影になって足元が見えにくくなります。
どこまでが階段の段差部分なのか分かりにくかったら、想像するだけで危険なことが分かると思います。
解決策
階段のけこみ部分のタイルの色を変えたり、素材を変えるのもいいですね。
ポーチの階段が始まる部分には、竜ひげなどの植栽を植えるとよりはっきりと段差が分かります。
玄関ポーチのタイルがそのまま、玄関アプローチの床のタイルとして使われていると本当に境目が分からなくなります。
目で見てすぐに階段の段差が認識出来るのが大事なんです。
レンガを縦にして並べてあるので、雨の日でも、滑りにくくなっています。
大きなタイルを貼ると、"目地"(めじ)というタイルの間の部分が少なくなるので、スッキリとしますが水はけは悪くなります。
もちろん、タイルの端部分は滑り止めの加工がしてありますが、靴の先端部分だけになるので小さなお子さんだと滑ってしまいやすいです。
レンガを組み合わせる事によって階段を見やすくするだけでなく、滑りにくくする効果もあるのです。
ちょっとした工夫ですが、毎日使う玄関でケガをしないポイントです。
手すりの設置
段差のある場所は、片足ずつとなりバランスを崩しやすい部分です。
手すりがあると、より安心して使用する事が出来ます。
高齢のご家族が住んでいる家なら、介護保険の住宅改修が出来ます。
その際、気をつけたいのが材質です。
外部なので、雨や湿気に強いステンレスタイプにすると、夏は暑くて握る事が出来ません。
木製にすると塗装したりメンテナンスが必要になります。耐用年数もそんなに長くはありません。
中身はステンレスで、表面を樹脂で加工してある手摺などがありますので、そちらがオススメです。
また、手摺の先がそのままだと洋服の袖や荷物などを引っかけて、転倒してしまう可能性があります。
せっかく取り付けした手摺で危険な事にならないように手すりの先が下に丸まっている形状がおすすめです。
年齢や身長にもよりますが、大人の場合75cm~85cmくらいが使いやすいようです。
高齢の場合は低めの設定となっていますが、使う人に合わせることが大切です。
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はじめてご相談する方は、90分 ¥4,400円のプランがおすすめです。
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